11月2日、私の所属するスタディグループ “歯庵” 例会で、歯科医療の各分野でご活躍されている先生お二方の講演会を行いました。

 まずは、京都で開業されている長尾先生が 『ガイデッドサージェリー〜成功への布石〜』 という題でインプラント治療された患者さまのケースを発表されました。
 長尾先生が所属するスタディクラブのデータによると、約10年間で2576本のインプラントを埋入した結果、97.94%の成功率だったそうです(うち失敗数は53本)。
 インプラント埋入時のガイド使用に関しては、精度をあげる為にミニスクリュー型のインプラントを先に埋入し、ガイドが可及的にずれないように工夫されているとのことでした。私自身は不安があるのでしっかり骨を視認して埋入していますが、この分野は今後ますます進化していくのでないかと思いました。

 次に、矯正専門医の中西先生が 『一般歯科医と矯正医 〜Win–Winの関係性〜』 という題でお話をされました。
 現在、日本歯科医師会は “8020運動” を行っています。これは80歳で20本の歯を残そうという運動です。さくらいデンタルクリニックでは、更なる高い目標があり、来院される患者さんと共に “9028運動” を目指しています。これは90歳で28本の歯を残そうという取り組みです。話はそれましたが・・・80歳で20本の歯が残る人を調べた結果、上下顎前歯の位置関係では、過蓋咬合(かみ合わせが深い人)は13.5%、 開口(前歯が開き前歯でかめない人)はなんと0%です。 前後的な位置関係では、反対咬合・切端咬合・開口は0%です。このデータから、歯のポジションが歯牙の予知性に重要に関わってくることが明らかにわかりました。
 一般歯科医は、歯の色・形の変更はできますが歯を移動させることはできません。よって、乳幼児の段階から矯正医と相談し、齲蝕・咬合関係をしっかりと管理していくことが重要となります。一般歯科医師が 「不正咬合」 に関する知識をもっと学ばなければならないと私自身も含め強くその必要性を感じました。

私たち歯科医が同じゴールを共有し、そこを目指して治療していく事の大切さを痛感しました!頑張ります!